胸やけとは
胸やけとは、胸のあたりが焼けるよう痛んだり、ひりひりしたり、違和感を覚えたりすることをいいます。
胸やけは、胃酸と関連することが多いため、呑酸(酸っぱい胃液がのど元まであがってくる)、心窩部痛・灼熱感(みぞおち付近の痛み・熱い感じ)を伴うことがあります。
胸やけに関連する疾患
代表的な疾患には、逆流性食道炎、非びらん性逆流性食道炎(NERD)がありますが、胃潰瘍による蠕動低下や、食道癌・胃癌による閉塞症状として症状があらわれる場合もあり、注意が必要です。
原因と治療
①逆流性食道炎、非びらん性逆流性食道炎(NERD)
一般人口において10~20%の有病率があるといわれている、最も頻度の高い疾患です。
内視鏡検査(胃カメラ)で、食道粘膜障害がない場合には非びらん性逆流性食道炎(NERD)と診断されます。治療は酸分泌抑制薬、消化管蠕動改善薬、粘膜保護薬などを考慮します。
診断、治療について、詳しくは他ページを参照されてください。
③機能性胃腸症
有病率は検診受診者の10~20%ともいわれており、上腹部症状を訴える患者さんの50%前後が同病と診断されます。ガイドラインに従って、酸分泌抑制薬、消化管蠕動改善薬などを考慮します。
診断、治療について、詳しくは他ページを参照されてください。
④機能性胸やけ
器質的原因や胃食道逆流と関連せず、酸分泌抑制薬投与下でも胸骨裏の焼けるような不快感や痛みが続く場合に診断されます。内臓知覚過敏が原因と考えられており、エビデンスは十分でないものの、三環系抗うつ薬,選択的セロトニン再取込み阻害薬などが考慮されます。
⑤好酸球性食道炎
アレルギーによる機序で発症する食道炎で、つかえ、胸やけをきたすことがあります。酸分泌抑制薬が効果的な場合がありますが、改善がない場合には、抗アレルギー薬や、ステロイド嚥下療法を考慮します。
診断、治療について、詳しくは他ページを参照されてください。
⑥薬剤起因性食道炎
服薬後比較的短時間で発症する嚥下時の胸痛が特徴的です。解熱鎮痛薬、抗菌薬、ビスホスホネート製剤、ダビガドラン、酸性の薬剤・サプリメントなどが原因となります。就寝前に水分を摂取せずに内服してしまい、食道の生理的狭窄部位で停滞することによって生じることが多くなっています。
<抗菌薬による停滞性食道炎>
⑧食道蠕動機能障害
食べ物を胃へ送り出す蠕動機能に異常がある場合をいい、アカラシア、びまん性食道痙攣などの疾患の他、強皮症など全身疾患に伴うものもあります。
診断、治療について、詳しくは他ページも参照されてください。
まれに、食道以外に心筋梗塞などの虚血性心疾患が隠れていることがあります。必要に応じて循環器科を受診して頂くこともあります。
当院の特徴
当院では、速やかな検査が必要な方に対しては、最短当日または翌診療日までに胃カメラ、腹部CT検査を行っており、迅速な診断に努めています。
お困りの方やお悩みの方は、迷わずお気軽にご相談ください。