大腸の粘膜下腫瘍のうち顆粒細胞腫は比較的稀な疾患です。
頻度は少ないものの悪性化の報告例があるため、念のため切除を念頭におく必要があります。
内視鏡所見では黄白色調の外観を呈することが多いため、神経内分泌腫瘍との鑑別が難しく、診断には免疫染色含めた病理組織学的所見が重要で、S-100蛋白陽性、neuron-specific enolase (NSE)陽性であることから診断されます。
以下は当院で経験された直腸GCTの一例です。
大腸における顆粒細胞腫は横行結腸を含めた右側結腸に3/4が発生するとされていますが、本症例のような直腸での発生は少ないとされています。
なお、直腸にはNETや顆粒細胞腫の他に、以下のような良性の平滑筋腫なども発生します。
無症状の平滑筋腫は経過観察が可能です。