この疾患の根本的な原因はまだよくわかっていませんが、心身に対するストレスなどが誘因となり、脳から腸にむかう信号(神経やホルモンを介した信号)と、腸から脳にむかう信号の両方が強くなっていることが確認されており、腸の知覚過敏のような状態が起きていることがわかっています。治療は、便秘型、下痢型などの症状に合わせて、薬を選択していく必要があります。
また、初診で過敏性腸症候群だという印象を持っていたとしても、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査をしてみると、結果的に潰瘍性大腸炎や感染性腸炎などの他、甲状腺ホルモンの異常や糖尿病による胃腸の運動異常、大腸がんによる便狭小などと診断されるケースがありますので、本疾患の診断には大腸内視鏡(大腸カメラ)検査や採血検査を受けるなどして、他の病気をきちんと除外しておくことが必要です。
お腹の不調が長く続く場合には、自分で判断したり一人で悩んだりせずに、専門医とご相談されることをおすすめします。