大腸ポリープとは、大腸の粘膜の一部がイボ状に盛り上がったものをいいます。
大腸ポリープは、腫瘍性(がん、またはがんになりうる素質のある前段階の良性ポリープ)と非腫瘍性(がんにはならないもの)に分けられます。切除が必要となるのは腫瘍性ポリープで、小さいうちは良性にとどまることが多いのですが、大きくなるにつれて(特に1cm以上)、がん細胞が発生してくる確率が上がるため、小さいうちに切除する必要があります。
欧米では、小さい段階で腺腫性ポリープを切除することで、大腸がんによる死亡率が低下することが示されています。日本のガイドラインでは6mm未満のポリープは、即座に切除せずに、経過観察する選択肢も許容されていますが、経過観察していく手間があること、観察中に増大していけば結局切除が推奨されること、患者さんが精神的な負担を抱えたままであること、小さなポリープが次の検査で発見できない可能性があることなどの理由から、患者さんのほとんどが、発見次第切除することを希望され、実務上は処置されています。
なお、大腸の腫瘍性病変には、いぼ状のポリープだけでなく、平坦型や陥凹型と呼ばれる、平たい形や、凹型の形のものもあります。