アメーバ性腸炎は、原虫(寄生虫)であるEntamoeba histolyticaによる感染症です。
糞口感染をしますが、性行為感染症の一つでもあります。
多くの方において、病態は慢性的に経過し、下痢、粘血便、腹痛などが繰り返しあらわれますが、免疫力の低下した方などにおいては、劇症型の病態となり致死的となることもあります。
また一部の方では肝臓に膿瘍を形成することもありますが、必ずしも双方が合併するわけではありません。
統計的に直腸と盲腸が好発部位で、周囲に紅暈を伴ったり、白苔を伴う汚く多発する(たこいぼ)びらん・潰瘍が本症に比較的特徴的な内視鏡所見です。
治療は抗菌薬であるメトロニダゾールの内服治療が基本となります。
以下は当院で経験されたアメーバ性腸炎です。病変は盲腸のみに認められ、生検でアメーバ自体が確認されました。