静脈硬化性腸炎・腸間膜静脈硬化症(mesenteric phlebosclerosis)は、大腸周囲の静脈に石灰化が生じるためにおこる 血流を鬱滞によって慢性的な虚血性変化をきたし、腸管壁の浮腫、線維化、石灰化、腸管狭窄を起こす疾患です。遺伝的な要因の他、サンシシを含有する漢方薬の長期服用が原因とされています。内視鏡所見では、右側結腸の粘膜の色調変化(暗紫色、青銅色)、浮腫、血管透見消失、半月襞の腫大、びらん、潰瘍、狭小化などが言われており、周囲の大腸・腸間膜静脈に沿った線状・点状の石灰化が確認されると本症と診断されます。
以下はサンシシを含む漢方を長期間服用している方の所見です。深部の上行結腸に、他部位の正常粘膜と比較して色調変化が認められます。
(上の写真:上行結腸、 下の写真:S状結腸)