Superficially serrated adenoma(SuSA)は比較的稀な、S状結腸から直腸に局在する、褪色または正色調の無茎性または平坦型の病変で、既存のWHO分類などでは分類が困難なものとして報告されました(1)。
KRAS変異およびRSPO融合/過剰発現などの遺伝子異常を伴っていて、traditional serrated adenoma(TSA)の前駆病変と考えられています(1,2)。
sessile serrated lesionとの鑑別は、局在や、内視鏡所見(分葉状で、mucosal capがない)が参考になりますが、
hyperplastic polyp(HP)とは内視鏡所見としての類似点が多く、病変のサイズが小さいものでは内視鏡的にHPと判断されてしまい、HPとして経過観察されている微小病変のなかの一部にSuSAが含まれている可能性が示唆されています(3)。
SuSAから直接浸潤癌へ進展した例の報告もあるため(4)、SuSAと診断された病変は治療が必要となります。
以下は当院で経験された症例で、切除後病理でSuSAと診断されたものです。
参考文献
(1)Superficially serrated adenoma: a proposal for a novel subtype of colorectal serrated lesion.
. 2018 Oct;31(10):1588-1598. doi: 10.1038/s41379-018-0069-8. Epub 2018 May 22.PMID: 29789649
Identification of a novel PRR15L-RSPO2 fusion transcript in a sigmoid colon cancer derived from superficially serrated adenoma.
文責 院長 岡田和久