十二指腸腫瘍のうち、胆汁や膵液が分泌される乳頭部分に腫瘍が発生する頻度は比較的少ないのですが、その乳頭部に発生する腫瘍のほとんどは、癌またはその前段階の腺腫で、早期の段階ではほとんどが無症状です。
膵・胆道癌の中では乳頭部癌の予後はもっとも良好であるとされていますが、進行癌になってしまうと手術をしても5年生存率は50%程度で深刻です。一方で早期癌の5生年存率は95%以上と良好ですが、腫瘍が粘膜面に露出していない非露出型というタイプについては発見が難しく診断が遅れることもあります。
以下は当院で経験された十二指腸乳頭腺腫の一例です。