GISTは中胚葉由来の消化管間葉系腫瘍であり、消化管固有筋層にあるCajal介在細胞(消化管内の食物を運ぶ働きに関係している神経細胞)から発生した腫瘍と考えられています。
小さいうちには症状はなく、検査で偶発的に見つかることが多いのですが、増大にしたがって出血、腹痛、腫瘤蝕知などを認め、発見にいたることもあります。
GISTの好発部位は胃が60%、小腸が30%、大腸5%、食道5%といわれており、十二指腸は全体の3-5%とされています(1-4)。
十二指腸のうち、下行部、水平部・上行部・球部の順に多いとの報告もあります。
GISTは悪性化する潜在性がある腫瘍であり、GIST診療ガイドラインで、治療の第一選択は基本的に外科切除とされています(5)。
以下は当院で経験された十二指腸下行脚の十二指腸GISTです。症状はありませんでした。
参考症例
参考文献
(1)消化器内視鏡Vol35 No4 2024 P522-523
(2)臨床と研究96 P843-847 2019
(3)臨床外科74 P889-892 2019
(4)Gastrointestinal stromal tumors: pathology and prognosis at different sites.
Semin Diagn Pathol. 2006 May;23(2):70-83. doi: 10.1053/j.semdp.2006.09.001.PMID: 17193820
(5)日本癌治療学会 GIST診療ガイドライン 2022年4月改定第4版 http://www.jsco-cpg.jp/gist/
文責 院長 岡田和久