十二指腸腺腫/がんは、頻度が少ないものの、大きな腫瘍に関しては発見が特に難しいということはありません。小さな十二指腸腺腫/がんは、十二指腸の部位にもよりますが、隆起型よりも平坦・陥凹型が多いのが特徴で、時に視認性が悪く見逃される場合があります。
十二指腸腺腫/がんは、表面にmilk white mucosa(MWM)と呼ばれる、白色調の粘膜を伴うことが特徴的で、病変におけるMWMの分布や、NBI拡大の内視鏡所見から、ある程度は腺腫かがんか推定することができます(ただしMWMを呈する病変が全て腺腫やがんというわけではありません)。特に、MWMが病変全体に見られる場合には、腺腫である可能性が高くなります。
写真の病変は十二指腸腺腫ですが、病変のほぼ全体にMWMを伴っており、このような病変は生検をせずとも腺腫である可能性が高いと診断できます。