十二指腸腺腫⑥(胃内視鏡/胃カメラ)
十二指腸には腺腫、癌の他にも、非腫瘍の良性ポリープが発生し、
異所性胃粘膜、Brunner腺過形成、過誤腫,胃腺窩上皮過形成性ポリープ,Peutz-Jeghers型ポリープなどがあります。
非腫瘍性であっても、サイズが大きい場合などでは、出血や腸重責などをきたす場合があり治療対象となります。
以下は当院で経験された、50mm大の十二指腸過誤腫の症例です。
十二指腸腺腫⑤(胃内視鏡/胃カメラ)
非乳頭部十二指腸腺腫は稀な腫瘍で、症状がないため検診等で発見される例がほとんどです。
進行した症例では外科手術になるため、早期発見で小さな腺腫のうちに治療することが望ましいのですが、内視鏡治療でも危険な合併症が生じることがあるため、治療は症例を集積しているセンター化された病院をおすすめしています。
以下は当院検診で発見された非乳頭部十二指腸腺腫です。
監修 院長 岡田 和久
十二指腸乳頭腺腫①(胃内視鏡/胃カメラ)
胆管が十二指腸に開口し繋がる部分を十二指腸乳頭部といい、同部に発生する腫瘍を十二指腸乳頭部腫瘍といいます。
比較的珍しい腫瘍ですが、主には前癌病変である良性の腺腫と、癌があります。
乳頭腺腫では、表面より深部ほど異型が強いという病理組織学的特徴があるため、 生検で中等度から高度異型の腺腫と診断されても、一括切除した検体の最終病理組織診断で腺腫内癌と診断されるケースもあり、術前診断が難しい場合があります。
腺腫および腺腫内癌は、適切に乳頭切除術が施行されれば予後は良好です。
以下は当院で経験された乳頭腺腫です。
ラズベリー型胃癌③(胃内視鏡/胃カメラ)
胃のラズベリー型腫瘍は、低異型度の腺窩上皮型腫瘍です。ピロリ未感染の胃底腺領域に発生し、強い発赤や表面が顆粒状、絨毛状、脳回状であることが特徴です。
以下も当院で経験されたラズベリー型胃癌の例です。
クローン病③(大腸内視鏡/大腸カメラ)
クローン病については、以下もご参照ください。
クローン病の内視鏡所見では、縦走潰瘍や敷石状外観といった所見の他、瘻孔(管腔臓器間等に生じる異常な接続)を形成する場合があります。
瘻孔、痔ろうなどの瘻孔に対しては、抗TNFα抗体製剤などの生物学的製剤の治療選択肢があり、手術を回避できるようになってきています。
以下はクローン病でS状結腸に瘻孔を形成した症例です。
直腸粘膜脱症候群①(大腸内視鏡/大腸カメラ)
粘膜脱症候群とは、排便時間が長かったり、排便時にいきんでしまう習慣などが契機となって、直腸粘膜の形態変化を引き起こし、組織学的に線維筋症を認める疾患をいいます。
内視鏡の所見では、潰瘍型、平坦型、隆起型などに分類され、外観は多彩です。
前記した排便習慣の改善が治療となりますが、効果に乏しい場合には内視鏡的処置が行われる場合があります。
以下は隆起型MPSの症例です。
薬剤性潰瘍➁(胃内視鏡/胃カメラ)
痛み止めを連用している方の、心窩部(みぞおち)付近の痛みでは、薬剤性の胃・十二指腸粘膜障害を考慮する必要があります。
病変は胃幽門前庭部(胃の出口付近)に好発し、多発する傾向があるとされています。
以下はロキソプロフェン連用による、胃粘膜障害の症例です。
自己免疫性胃炎④(胃内視鏡/胃カメラ)
自己免疫性胃炎の特徴的な内視鏡所見は、胃底腺領域(胃体部と胃底部)に萎縮がみられるも、胃幽門前庭部に萎縮が認められないことです。
貧血や甲状腺機能異常を合併したり、慢性炎症のため胃癌が発生しやすいとされていますが、発見時には自覚症状がない方がほとんどです。
以下は検診での症例です。
自己免疫性胃炎③(胃内視鏡/胃カメラ)
以下の例も、自己免疫性胃炎に胃癌を合併した症例です。
前庭部には萎縮を認めず、抗胃壁細胞抗体陽性でした。
A型胃炎の胃癌合併率は高いとされており、ピロリが陰性でも定期的な経過観察が必要です。